浅間嶺に行ってきたッス


 悪天候や寝坊で延び延びになっていた浅間嶺アタック(大げさ)、本日ついに観光敢行しました。

 昨日(というか今朝)も寝るのが遅くなってしまったのだけど、気合で6時20分に起床。ささっとめし食ってママチャリ漕いで登戸へ。コンビニでおにぎりとチョコを購入して7時42分の立川行きへ乗りこんだ。 が、この時期は新人研修と朝の猛ラッシュが重なって電車が遅れてしまい、立川駅到着は概ね8時11〜12分。 乗り換えの青梅線武蔵五日市行きは8時15分発なので階段を駆け下り間一髪であった。

  慌てて飛び乗ったのと、客が少なかったので、女性専用車に乗っている事に気づいたのは武蔵引田を過ぎてからだった。そそくさと前の車両に移動する。

 青梅線はスムーズと言うか時間通り8時50分に武蔵五日市に到着。 数馬行きバスは9時50分発なのだが、これを待つのもアホらしいので、すぐにやってきた8時54分発藤倉行き(払沢の滝を通過する)に乗り、払沢の滝から登り始める事にした。 

 平日だから空いてるだろうと思いきや、熟年ハイカーと禁猟明けを狙った渓流釣り師で超満員であった。まさか登山道はこうではないだろうが・・・・。

 払沢の滝の登山口に入ったのは9時30分。
いきなりこんな看板があって思い切りやる気を削がれてしまう。

 
   ∩___∩
   | ノ      ヽ
  /  ●   ● | クマ注意!!
  |    ( _●_)  ミ
 彡、   |∪|  、`\
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(___)   / (_/
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 途中何度か車道に出ながら、作業道のような歩き易いシングルトラックを行く。 このあたりはまだ人の生活圏にあるのかところどころ枝垂桜や八重桜が植えられており、ちょうど満開なので中々気分がいい。

 しばらく進むと「峠の茶屋」が現われるのだが、ここでチョコチョコ現われていた細い車道は完全に終了し完全な尾根道となる。当然のことながらまだ営業してなかったがここで水を補給できるのでガブガブ飲んじゃう人は補給するのも良いだろう。ここは展望もいい。


 峠の茶屋からさらに10分ぐらい行くと、沢と登山道が近づいているところがあり、ここは足場がいいので水も汲める。「飲料水」と掲示板まで貼ってあるので、手持ちの水を全部ぶちまけ沢の水を汲み直した。 ひとくち飲んでみるとキリリと冷えてうまい! ウイスキーフラスコかなんか持っていたら水割りを作るのも良さそうだ(オイラはウイスキー嫌いだけど)。

 
 太陽が出てるのにパラパラと雨が降ってきたりするが、どうせずぶ濡れになるような雨でなし、そのままずんずん進むと樹相が変わってくる。 バスから遠目に見るとその辺の山々が濃い深緑と明るい黄緑のダンダラ模様になっているのが判るが、濃い深緑は常緑の針葉樹、明るい黄緑は落葉の広葉樹の新芽なのであった! 登山道や尾根を境目にピシっと切り替わってるところもあれば、腐って倒れた針葉樹のところに新しい低木が割り込んできたりいろいろである。 

 黄緑の部分はまだ葉が完全に生い茂っていないぶん陽も良く差し込むのと、虫や鳥も多いので、こっちの気も沸き立つ。 針葉樹の静かで落ち着いた雰囲気も悪くは無いんだけど。

 さて、途中で展望ルートとノーマルルートに分かれてるところがあったが、地味にノーマルルートを進み、しばらく行くと休憩所にたどり着いた。 立派な屋根つきの避難小屋とトイレ、広場みたいなスペースもあり、完全装備で行けばここでテントも張れそうである。 とりあえずトイレを済まし、ふとみると↑浅間嶺 展望台 とあるので登ったが、何のことは無いさっきの展望ルートと繋がっていたのでした。 展望ルートで登ったほうがムダが無いでしょう!この展望台がとりあえずの目標 浅間嶺 標高903mである。パチパチ。高尾山より300mも高いのでナメたらいけないのである。

 軽く柔軟をしてさらに進むと、小学校の野外活動なのか遠足か、大量の子供の群れと遭遇してしまった。 教育が行き届いている上に、今日びの子供には珍しい元気さで(山出しのせいだろうか)「こんちわぁ!」と毎回挨拶されるので、これまでの一日の挨拶記録をあっという間に更新してしまった。

 12時ごろ、そろそろ休憩しようかと言う時にちょうどベンチがあった。まるでオイラを待っていましたとでもいわんばかりのタイミングである。ここでオニギリを一個だけ食べ、5分ほど休憩。



サル石。何がなんだか全然わかりません

 一本松(930m)を過ぎてしばらく行くと、数馬分岐につきあたり、↑風張峠←浅間尾根登山口バス停という表示にぶちあたってしまうのだが、ここでバス停に下りてしまうともうおしまい。 しかしまだまだ体力は余裕綽々なのでもうちょっと歩きたいなぁ、と言う気分であり、よっしゃ風待峠行こうじゃないの!と安易に風張ルートをとってしまった。 ここの案内標識の横に「思いつきのルート変更は事故の元!」と注意書きがあったのだが・・・。

 ちゃんと地図を確認してなかったのだが(←最悪)、風張峠ってのはとんでもなく遠くにあり、その日の気分で攻められるような場所じゃなかったのだが、進んでいった先には舗装路があり、そんなに危なそうには見えなかった。さらに行くと←温泉センター↑風張峠・御林山という分岐があり、ここで数馬分岐で道を間違えたおばさん達が食事をしていた。 これだけ親切な表示があちこちにある山でルートを間違えると言うのもどうかと思うが、確かに「風張峠」という名には何か「こっちがいいんじゃないか?」と思わせてしまう何かがある。大体俺だって深く考えずにこっちに来ちゃったのだし。

 とりあえずおちついてオイラもここで地図を広げると、ここでようやく

・風張峠はとんでもなく遠くにあり(現在地からさらに1時間)
・着いた所でバスが通ってないんで最寄のバス停までさらに1時間半くらい歩く事になる
・万が一4時41分のバスに乗り遅れると2時間待つハメになる

 ことに気づき、慌てて予定を修正。 手前の御林山を攻めて、そこまで行ってすぐに戻ってこようと修正した。考えてみたらさっきのおばさん達が休憩してた分岐点で温泉に降りて風呂浸かって帰るというのが一番最初の予定だから、これなら大した変更ではない。

 で、もそもそと針葉樹林帯を歩き、めでたく御林山(1078m)をクリア。頂上付近にも杉・ヒノキ類が植わっているため展望は大した事無いが、途中ちょっとだけ開けて眺めの良い所があるので気にならない。そもそも初めての1000m越えではないか!この後高水三山なんかを攻めて、その後ようやっと1000m級・・・と考えていたのだが、思いもかけずにちょいと足を伸ばしてクリアしてしまった。 


 なんとなくニヤニヤしながら下っていったらさっきのおばさん達は分岐のところでまだ休憩していた。はよ出ないと日が暮れちゃいまっせ。

 で、ここからの下りがが意外なクセモノだった。 ちょっと下ると道が判らない位荒れていたり、判ってても危なっかしい道なのである。 具体的に言えば所謂ガレ場というのか、風化したボロボロの岩道で、乱暴に踏めば石が崩れ、浮いてる石が転がり、何てこと無さそうなとこですぐに足がとられるのである。 

 かと思うと広葉樹の落ち葉が分厚く敷き詰められたようになっている。 これ自体はクッションが効いて中々快適ではあるのだけど、雨が降ったら間違いなくツルッツルのトラップになるだろう。 

 ところどころ目印テープを巻いてくれているので道に迷う事はないと思うが、これまでの誰がどうやっても迷いっこない至れり尽くせりの快適シングルトラックからすると突然牙をむいたように感じられ中々手ごわい。体力の無い人や、疲労や病気で変調を来たした人、雨天の時はここから下るのは避けたほうが無難だろう。
 
 急に意地悪になった道を下っていくとなんとなくゆったりした陽だまりがあったのでここで2度目のオニギリ休憩(1時30分)。そそくさと下っていくとまた凄まじいガレ場が出てくるが、これまで殆ど聞こえていなかった生活音というかエンジン音がくっきり聞こえてくるようになってきた。いよいよこの登山道も終わりらしい。

 2時ちょうど。 蛇の湯温泉前(仲の平バス停)の登山口に到着。 なかなか歩き応えのあるハイキングは終了した。


 この辺枝垂桜が満開なのでまるで歓待されたかのように浮つきながら車道を下っていく。もう一つの楽しみである「数馬温泉センター」が待っているのだ。予定では3時前後に到着して3〜40分浸かって・・・という目論見だったが、この分だとたっぷり1時間使えるな・・・とワクワクしながら建物に近づいていった。

 コンクリート打ちっぱなしでなんとなく殺伐としているが・・・・まあいいや、とそのまま玄関口に近づいていたのだが、漂っていた殺伐感は建物のせいだけではなかった。


 「定休日」 


慌ててガイドブックを開くとしっかり書かれていた。「定休日は月曜」

がっくりとその場にくずおれたオイラは蛇の湯温泉に戻る気力も無くし、2時32分のバスに力なく乗り込んだのでありました。

 おまけに帰りのバスではライダーが事故って七転八倒しているのを見てしまった。いったいどうなっておるのだ。