フィン衝動買い

 
 また衝動買いしてしまった。

 既にフィンは一個持っているのだが。

 大学時代に購入したフィンは本格ダイビング用でかなりごっつく、自分の情けない脚力(自転車やってるのだが、どういうわけかバタ足の力がめったくそ弱いうえに、ヘタクソ)では明らかにオーバースペックだった。 要するにがんばって泳いでいるとたちまち足が「ピリッ」ときてしまうのだ。

 何でそんな身の丈に合わないもの買ったかといえば、単純にダイビング用品ブランドでいちばんメジャーそうなアクアラング製であり、気に入った色(青)だったからだ。 トウシロの自分であれば使いやすさを第一に考えるべきなのだが、ミーハーなんだから困ったもんである。 当時既にTUSAとかmaresが十分のしていたのだが、ぜんぜん知らなかった。 ヴォイトとかクレッシーサブとか知ってる親父の方が数段上である。

 ほかの機材も青一色でそろえたが、しょぼい泳力で潮に流され遭難する事を考えたら水に同化しちゃう青より発見されやすい黄色のほうが良さそうなものである。

 ま、それはそれとしてこのでっかいアクアラング製フィン(ミストラル?というかっこいいモデル名)は一昨年の沖縄旅行でも久しぶりに活躍してくれたのだが、ダイバーズハウスに泊まり、行きも帰りも宅配便利用というお手軽旅だからよかったものの、今回のように自転車やバックパッキングとなるとあれを持っていくのはちょっとつらい。 八重山諸島をフラフラ放浪してたときはあれをリュックに括り付けてはいたけれど、雨ばっかりであまり使わなかったという悲しい前科もある。
 
 大体ボンベを背負うんじゃなくて、基本的にはスノーケリングだし、もうちょっとお手軽なのはないものか。 自転車で湘南行ったついでに海に飛び込むとか以前浦賀で出会ったあの悪ガキどものように、釣りしてて暑かったらそのままザブーン、というのにピッタリなやつは。 夏に再び伊豆諸島を訪れる事を考えても持ち運びに楽なやつがいい。

 夏になれば海沿いの釣具屋やコンビニ、ドンキなんかでも格安のものを売っているのだが、ここでも性質の悪いブランド狂いの性格が頭をもたげた。普段アウトドア用品を買うOD-BOX系列のダイビングショップに吸い寄せられてしまったのだ。

 長年ご無沙汰だったのでぜんぜん知らなかったのだが、各種メーカーからスノーケリング専用品も多数リリースされており、スキューバ用品の別ブランド以外にもAQAのようなスノーケリング専業メーカーも存在するのだった。

 美人の店員さんに鼻の下を伸ばしつついろいろ撫で回した結果、見栄え、値段ともピッタリだったのが、TUSAを抱えるタバタのスノーケリングブランドであるリーフツアラーだった。

  リーフツアラー RF-14

 お値段はびっくり1811円。 プラスチック部分が多いので安いんだそうである。後でネットで調べたらアクアラング社もアクアスフィアーという別ブランドで「TREK」という実にかっこいいモデルをリリースしていて、それにも食指が動いたのだがよく見りゃ希望小売価格で2.3倍。店頭在庫があっても結局こっちに落ち着いただろう。

 気づいたらまたブルーのものを購入していた。 つくづく進歩が無い男である。