走ったんだけど不調

 書いていなかったが、正月に奥多摩へ行った直後からしつっこい風邪をひいてしまった。そのため羹に懲りて膾を吹くの例えどおり、体を冷やしかねない遠乗りや吹きっ晒しでの釣りはずっと自制していたのだが、昨日から暖かくなってきたので本日は久々に遠乗りと決め込んだ。

 ところが今日は最初っからなんか妙だった。 お腹のあたりが妙に重たく、足も疲れが溜まっているわけではないのに力が入らない。調子の悪いときにはありとあらゆる歯車が狂いだすもので、不思議と赤信号に捕まり、信号待ちによるロスがどんどん増えていった。

 こういう状況は無駄なあせりも産むもので、信号無視をして飛び出したくなったり、無理なすり抜けをしたくなって事故るのがパターンなのだが、今日はそんな気も起きなくなるほど体が重たかった(実際64kgまで増えちゃってるのだが)。

 実際タイムを見てみると2時間40分ぐらいのもんでそれほど変わっていないのだが、何より気分が乗らない。

 北鎌倉のあたりから始まるいつものウキウキ感が湧いてこないし、「ツーリング」というより「惰性の移動」と言う感じになってしまっている。「そうだパンを買おうかなぁ」と思ってCome Va?によっても定休日だし、何から何まで歯車が噛みあわない。

 バナナとエナジーゼリーを持って来ているのでパンは買わなくてもいいのだが、買えないと分かると急に腹が減ってくるのが不思議なところ
「じゃ、奮発して稲食(いなしょく)いこっかなぁ」
と稲村ガ崎へ行くと何と稲食も休みと来たもんだ(火・水定休)。

 そう、鎌倉、江ノ島は水曜定休の店が多いのである。

 仕方ないのでそのまま江ノ島に向かい、湘南港の釣り師を冷やかしに行くと、ここも普段の賑わいから考えられないくらい閑散としており、

「れ?ひょっとして工事で立ち入り禁止?」

と勘違いしてしまうほどであった。

あらゆる状況がさっさと帰れと言っている様で、本格的にやる気を失ってしまい、はやくもUターンを決め込んでしまった。 腰越にはおなじみのブルーシールがあるのだが、肌寒いし何故か食う気がしない。

 ただ、このまま何もしないで帰ると持ってきた荷物も無駄になってしまうので意地でもこいつだけは働かそうと稲村ガ崎公園へ向かった。

 トランギアのケトルに水を汲み、コールマンをポンピングしていざ点火! 修理から戻ってきたばかりのコールマンはさすがに快調で、あっという間に沸騰。こないだ入手したカルディ珈琲のドリッパーに注いで熱々の珈琲タイムと洒落込む。


 ようやく人心地ついたが、今日の足の調子ではかなり帰宅が遅くなってしまいそうな気がしたのであまりマッタリせず、家へ向かう事にしてさっさと撤収。

 足が回らないのは相変わらずだったが、帰りは赤信号に捕まらなかったのでそこそこいいペースで横浜までたどり着いた。 ここで全面的に空腹になったので中華街で肉まんでも買おうと思ったのだが、中華街へ曲がるのまでが億劫になり、「早く家に帰りたい…」状態になってしまったのでそのまま川崎方向に左折決定。 なんだか今日は何も食の楽しみが無い苦行のようなツーリングになってしまった。


走行距離 103.85km