神津島(1)

 いよいよ神津島へ向かう当日だが、今まさに向かわんとス、というところでトラブルが発生した。正確に言うと会社へ向かう途中だったのだが。

 夜行便の出発がPM11:00なので、7:00までは仕事をして早上がりで竹芝桟橋へ向かうという予定であった。 で、自宅でパッキングを済ませ会社へ向かったのだが、会社まであと数百メートルというところで後輪がパンクしてしまったのだ。 
 やっべえなぁ、荷物積みすぎかなぁ、と呻吟しながら押して進んでいたのだが、数10メートル進んだところで妙な感触がして原因が明らかになった。キャリアの螺子が緩んでシャフトがずり下がり、タイヤの側面を抉ってバーストしていたのである。

 あっちゃ〜・・・唯のパンクじゃなくてバーストか・・・。

 痛い出費だが交換するしかあるまい。幸いにして最寄のY'sにパセラ700×25Cの在庫があったので交換することができたが、これが竹芝桟橋へ向かう途中だったり、神津島へ到着してからだったらえらい事になるところだった。 それにしても去年の八丈島行きの際も桟橋での待機中にパンク、帰宅途中にキャリアのずり下がりに見舞われたわけで、同じトラブルというのは大変気分が悪い。

 後輪タイヤは新品&空気充填もばっちり、キャリアもガッツリと螺子を増し締めしてもう大丈夫だとは思うのだが、重量増の不安を少しでも軽減するためにレインウェアは会社に置いて来てしまった。いや、出発前にもうちょっとダイエットできてれば何の問題も無かったんだけど。

 7:00にマックでハッピーセット(子供用。おもちゃをお付けしますか?)をささっと平らげ、会社を出た。相変わらず重さでフラフラしながらテレ朝の横を疾走し、浜松町の竹芝桟橋へ。

 待合室は五月に八丈島へ向かったときとは違い、人気ルートの大島・新島・式根島に加え、三宅島からの帰還客(サイクリングイベントがあったらしく、輪行バッグのツアー客が物凄かった)、これに東京湾納涼船の客が加わり、ベンチシートの空きが無くなるほどの盛況ぶりだった。 夏の新島航路の風物詩とも言える若者グループにバックパッカー、釣り師に家族連れと客層も実に多彩。 やっぱり船旅はコレでなくっちゃ!

 乗船タイムになると指定席を持ったひとから優先的に乗っけてもらえるため、ほんのちょっぴりのブルジョア的優越感を味わった末、特二等船室←( ´,_ゝ`)プッ  へ。荷物を棚に置いて、ビールでも買うてくるかな、と販売機へ向かうと、予想はしていたことだが通路がすさまじいことになっていた。 そう。 真夏の新島航路名物「席無し2等チケット」のお客様である。 109のあたりにたむろってそうなギャル&ギャル男集団がレジャーシートに雑魚寝するこの世の地獄のような風景が繰り広げられていた。 最初っからこういうシチュエーションに慣れていればいいのだろうが、そうではない神経質なギャル男君は
「こんなんじゃ眠れねえよ・・・」
と不機嫌そうに愚痴を垂れているのであった。

 自販機の横でギャル軍団が寝転がっているのでビールを買いそびれてしまい、手持ち無沙汰なのでデッキに上がり夜景を眺めて消灯を待つことにした。 ちなみに特二等船室は二段ベットにそれぞれカーテンが設えられているので体が当たってトラブルになるようなことは無いし、冷房もいい感じなので眠るには一番プライスフォーバリューが高いと思うのだが、こっちの席無し雑魚寝グループでも後部Aデッキなんかは風もあるし、仲間がいるなら楽しそうで結構いいんじゃないかと思ってしまった。 てか、高校〜大学生時代ならコレこそが旅って感じで思い出にもなるんだろうなぁ、ともうあまり若くない貧乏旅行者の私は思うのでした。